昨日迄と打って変わって急激に寒くなった。私はチラつく雪をリビングから何気に眺めていた。
私の夫はどうやらまた浮気しているようだ。1年前夫は浮気した。その時は、夫が謝り倒すもので、私は夫の浮気を簡単に許した。これが間違いだったと今頃になって気づいた。夫は反省などしていなかったのだ。簡単に浮気を許した私が馬鹿だった。
夫はまた浮気を簡単にしている。今回の浮気は私は許さないだろう。いくら夫が謝り倒しても。
私は今回の夫の浮気の証拠を撮ろうと思っている。自分では浮気の証拠は撮れないので専門の探偵社に浮気調査の依頼をした。
調査期間は2週間、私は今回の浮気の証拠が明らかになったら私はこの家から夫を追い出そうと考えている。だって夫は私を二回も欺いた。そんな男と寝食を共になんか出来ない。私は探偵とこまめに連絡を取り合い夫の行動を伝えた。
夫から今日は残業でかなり遅くなると昼過ぎに連絡がきた。私は当日だか調査はできますか?と探偵に尋ねると探偵可能だという事だったので、勤務後の調査を依頼した。
夜探偵から連絡があり、ご主人は勤務後博多駅で女性と接触して今博多駅構内のパスタ屋て食事しています。
それを聞いてやはり夫は反省なんかしていない。また浮気心の虫が騒ぎ始めている。夫はほんと懲りないやつだ。しばらくして、探偵からご主人と女が博多駅近くのホテルに入りました。と連絡が入り、予想していた結果だが目の当たりにするとふつふつと怒りが込み上げてきた。その後何度か夫は探偵に追われまんまと浮気の証拠を取られた。
さぁ。私はこの浮気の証拠をどう使うか迷っていた。
まずは浮気相手から慰謝料を頂き、夫をこの家から追い出す事を企んだ。
あなたは、懲りずにまた浮気してるよね。言い訳は効かないよ。今回の浮気の証拠はここに撮れているから。今回は私、探偵を雇ったの。あなた全く気づかずのうのうと浮気しまくりでしたね。
荷物まとめて今すぐこの家から出て行ってもらえる。あなたの顔は見たくない。取り敢えず私の前から消えて、離婚するかどうか後から考えるから、今すぐこの場から消えて。夫は黙って家を出た。
私は一人になって飲んでいたコーヒーのカップを床に投げつけた。まともじゃいられないと思い白ワインを開けてワイングラスにつぎ呑んだ。いくら呑んでも酔わなかった。
私は私自身のこれからの事を真剣に考えなければいけない。しかし、どうすれば良いか思いつかなかった。
私は車に乗り、大分方向へ車を走らせた。大分と言えば別府温泉だ。温泉で入ってこれからの事を考えてみようと思った。
自分の人生だ。納得いく生き方がしたい。夫に振り回される人生は真っ平だ。
