最近私は気分が落ち込んでる。何もやる気が起きない。鬱病にでもなったかのように。いやこの症状は明らかに鬱だと思う。専門家に診てもらうべきが悩んだか心療内科に行くことさえ億劫だ。
私がこんな最悪な気持ちになってしまった原因はわかっている。
私は夫の手帳を偶然見てしまったのだ。そこには金曜日に花丸がついていた。その次の水曜日の日にも花丸がついていた。何か用事があるようだ。仕事だとすれば花丸なんかつけないと思う。怪しく思うのは必然。
花丸がついた金曜日がやってきた。夫は、普通に会社にでかけ、帰宅は深夜を回っていた。こんな時間まで何してたの?と尋ねると夫は、目も合わさずに接待だと言う。次の週の水曜日も普通に会社に行って帰宅は深夜過ぎだった。
私はピンと来た。夫は浮気している。
私は夫の手帳を見てから浮気しているのではと思っていた。しかし確証はない。花丸がついている日に夫は私の知らない誰かと会っている事は間違いない。
私は少し迷ったが花丸の理由、帰宅が遅い理由を明らかにするために、博多区にある探偵社に相談してみた。夫の最近の言動を話すと探偵は、今の段階では、ご主人が浮気しているとは断言できません。真相を確かめる為に浮気調査をやるべきではないかと提案された。私は今のままでは納得出来ないし、只々苦しむばかりだと思い、花丸のついていた水曜日と金曜日の夫の勤務後の調査を依頼した。調査費用は、2日で15万だった。決してやすくはないが、真相が明らかになるならと思い、博多区の探偵社に浮気調査を依頼した。
浮気調査を依頼してから一週間後、浮気調査の結果が出た。私は必死に冷静さを保ちながら浮気調査の報告を受けた。
探偵は、開口一番、ご主人浮気してます。相手はご主人と同じ会社の女性でした。報告を受けた私はやっぱりかと拳を強く握った。
私は家に帰り、これからどうすれば良いのか考えていた。コーヒーでも淹れて落ち着こうと思ったが、コーヒーを淹れる気力もなく、ソファーに座り頭を抱えた。
夫と離婚するか、修復するか、離婚すれば私は働きに出なければならない。今更仕事をするのに抵抗があった。しかし、夫の浮気を簡単には許せない。私は一体どうすれば良いのかわからなくなった。浮気されても夫のことを嫌いにはなっていない。修復出来る可能性はあるが、それには時間を要するだろう。
浮気をした夫を責める前に私は別居の準備をしようと思い、ワンルームのマンションを借りた。
私は別居の準備をして、夫に浮気の証拠を見せた。夫は漠然と浮気の証拠を見ていた。醜い言い訳をするのかと思っていたが、夫はひたすら謝罪した。床に頭をつけて。
私はその姿を見て、ざまみろと思う気持ちと情けない気持ちが溢れた。
私は夫に別居の話を夫に伝えた。夫は私が別居することを許した。夫は私とは絶対に離婚したくないそうだ。だったら浮気なんかしなければ良いのにと思ったがそれが人間の性なのかもしれない。
私は心の傷が癒えるまで別居することにした。先の事はわからない。しかし、夫があれほど頭を下げて謝罪してくれた事は正直嬉しかった。
浮気調査から真相が分かり、私の気分は少しだけ軽くなった。いつまで別居するかはまだわからない。これから夫がどう私と付き合うのか見てみたい。別居すれば夫も冷静になり、猛省するかもしれない。その反面別居したお陰で夫は浮気し放題な環境でもある。
別居して一週間が経った頃、夫からラインが来た。明日一緒に外で食事をしないかとのお誘いだった。私は素直に嬉しかったが、一緒に食事する気分にらなれず、断った。
私は心の底から夫の浮気を許せるのか、自信がなかった。そんなことを考えていたらまた次の日夫からラインが来た。内容は、今週の日曜日映画でも見にいかない?私は夫の浮気を許せるのかわからないが、日曜日に夫と映画を見に行くことにした。夫が私を大事にしてくれればきっと浮気された傷は癒される事を願っている。夫と二人で映画を見るなんて何年ぶりだろう。私の心は少し浮かれた。
