相談室の電話が鳴った。相手は東京からだった。開口一番ご依頼者は「大学に通っている息子と連絡がとれなくなりました。息子の安否とどう息子が大学生活を送っているのか確認してほしい」と焦った感じで話すご依頼者。
ご依頼者は東京で息子の安否を心配している。探偵は、息子さんの素行調査の提案した。契約は2週間の素行調査を依頼された。本当はもう少し調査期間が欲しかったが金銭的に2週間の調査が限界でした。
探偵は、早速対象者宅の事前調査に取りかかった。対象者の居住先は某駅から徒歩15分の所に位置する、大通りを曲がった突き当たりにある5階建てのマンションの2階。駐輪場がエントランスの左側にあり、駐輪場はなかった。
張り込み位置がないので大通りで待ち構えるしかない。
次の日、探偵は、セールスマンの振りをして対象者宅のインターフォンを鳴らした。しばらく玄関前で待っていたが、全く何も聞こえない。昼過ぎに訪れたからか対象者はいないようだ。
外から対象者宅のベランダが見える。カーテンは閉まってはおらず、生活感はあるように思えた。郵便ポストを覗いて見ると中は空っぽだった。長い間留守にしていればチラシなどが溜まっていてもおかしくない。
対象者はここで生活しているとしか思えない。探偵は夜になるまで車で待つことにした。21時に対象者のマンションを見にいったが対象者宅のベランダは真っ暗だった。帰宅していれば部屋の電気がついているはずだ。
翌日の夜再度対象者宅に行き部屋の明かりがついていないか確認しに行ったが部屋に明かりにはついていなかった。探偵はこの案件は長期戦になると思った。対象者は毎日は帰宅していないようだ。まずは帰宅しているかどうか確認しなければ素行調査が出来ない。
その翌日の夜も対象者宅に確認していったが、またも対象者宅のベランダは真っ暗だった。
調査方法は対象者の居住先から対象者を追って行くしかない。大学から対象者を尾行する方法も考えてはみたが発覚するリスクが高すぎる。
ここは粘り強く夜対象者宅の部屋の明かりがついていないか確認して行くしかないと思った。
探偵は4回対象者宅確認しに行ったが一度も対象者の顔すら見てない。
かなり手こずる案件になりそうだ。難しい案件程探偵イズムがほとばしるのだった。
