「娘を探してください」と電話口で慌てた様子の依頼者。私は依頼者を落ち着かせ、冷静に娘さんが家出した経緯を話すよう促した。私は少し落ち着いた依頼者に電話では詳しい内容が聞けないので相談室に来てもらうようにお願をした。その際の娘さんの写真を持って来ていただくようお願いをし未成年の家出の場合急を要する為できれば今すぐにでも来てくださいと依頼者に言うと依頼者はすぐに参りますと答え一旦電話を切った。
電話を切って1時間後依頼者が相談室に来られた。依頼者はお願いしていた娘さんの写真を持ってきて頂いた。すぐに我々は人探しのポスターを作製した。今から捜索活動を行いますが娘さんの年齢は16歳ということもあって事件に巻き込まれていないか心配をした。早く捜索をしないと未成年の場合、お金も持っていないため無茶な行動をとるケースがあるので早急な対応が求められる。16歳が長い期間家出できるということは娘さんは友人もしくは先輩のところに居る可能性も十分考えられると思い依頼者に娘さんの交流関係を尋ねたら一人の女の子の名前があがった。早速その子のところに行って何か情報が聞けないかと思い聞き込みを行った。するとA先輩の所にいるのではないかという情報を得た。しかし、その先輩の住所はわからないが、仕事は飲み屋街で働いているとのことだった。もしかしたらその先輩が働いているところで一緒に働いているかもしれない。そう思った探偵は飲み屋街で聞き込みを行った。
呼び込みの兄さんにこの辺で若い女の子が働いている店はあるかと尋ねると最近若い女の子が入ってる店がありますと客引きの兄さんは言う。どうやらは客引きの兄さんは私たちが若い子目当てで若い子がいる店を探していると勘違いしているようでその店まで案内してくれた。探偵は早速内定に入った。そこは薄暗い小汚い場末のスナックだった。店に入った瞬間家出した子が奥のカウンターに座っているのを確認した。店の中で娘さんを確保してすぐに経営者を呼び出し、16歳の女の子をスナックで働かせるとはどういうことかと問うと経営者は女の子は16歳とは知らなかった。18歳と思っていたと笑えるウソをついた。いろいろ調べていくとここのスナックはこの子の他にも16歳、17歳の女の子が平然と働いているようだ。だから娘さんも働くことができたのだ。警察に通報しようかと思ったが、先ずは娘さんを依頼者の所へ帰すことが先決だと思い、警察には通報はしなかった。娘さんの容姿はまだあどけなさが残っている。18歳で通る顔つきではない。こんな16歳をスナックで働かせるなんて社会的いや倫理的にゆるされることではない。
探偵は娘さんを連れて依頼者のところへ行き事情を説明した。すると娘は母親に向かって悪態をついていた。反抗期だから多めにみるが親子関係が修復するには時間がかかるなぁと探偵は思った。発見がもう少し遅れていれば事件に巻き込まれるもしくは事件に加担するかもしれなかったと思った。
今回の捜索でなんとか事件性もなく調査は終了することができた。人探しは初動調査をなるべく早期におこなうことが大事だと再認識される案件であった。
