悲劇のヒロインぶってるわけではない。しかし、夫は私を裏切っている。私が何も知らないとでも思っているのか。浮気してますと言わんばかりに常時携帯を持ち歩く。風呂に入る時にも携帯と一緒。誰が見ても夫は浮気している。そんな事すれば馬鹿でも気付く。
夫はどうやら浮気相手の女性に夢中のようだ。自分が何しているかさえ考えていない。いや考えられないのだろう。
私は密かに探偵に浮気調査を依頼した。こんな生活真っ平だ。調査期間は1週間、きっと簡単に浮気の証拠が撮れると確信していた。あれだけ浮気相手の女性に夢中なんだ。頻繁に会っているはず。
調査結果は簡単に撮れた。浮気相手を調べてもらったら某デパートの紳士服売り場の女性だった。私は浮気の証拠を持って浮気相手の勤務先へ乗り込んだ。私はあなたが浮気している妻ですが。
女は青い顔して私を見つめている。
私は彼女が仕事を早上がりするように指示して近くの喫茶店で話し合いをすることにした。
私は女に「あんた私の旦那と一緒になるわけ」と唐突に尋ねた。女は「そんなつもりはありません。私にも旦那がいます。つい意気投合して奥様のご主人と親密な関係になりました。申し訳ありません。」私はそれを聞いて「私はあんたに家庭を壊された。私もあんたの家庭を壊してやるわ。今すぐあんたのご主人に連絡してここに来るようにいいな」と私は怒鳴りつけるように言った。
女はよわった顔して私と目を合わせない。しばらく沈黙が続いた。すると女は「どうか私の旦那には、内緒にしてください。慰謝料は支払います。どうかお願います。と悲願する女。私は300万の慰謝料を請求した。女は3日後に支払うと約束をした。私の気分はそれでも晴れなかった。こっちの家庭は壊れて、女の家庭は壊れない。そのことがどうしても解せなかった。
しかし、3日後に私の手元に300万円が手に入った。すると解せなかった気持ちがスーときえていったのだ。お金の力は凄い。まー。なんてげんきんな女だと私は一人ニヤついた。
