胸の中に膨れ上がったこの悲しみは、泣いても泣いても消えることは無かった。この悲しみは、夫の裏切り行為のせいだ。夫は確実に浮気をしている。怪しい言動が目に余る。帰宅は遅いは、休日出勤するは、夫はやりたい放題で、私の存在すら忘れて、私以外の誰かに熱をあげているようだ。しかし、憎たらしいがこれといった証拠はない。私は激しく嫉妬していた。夫がどんな女性と浮気しているか知りたくてたまらなくなった。どうしたら真相を掴めるか考えた。
浮気と言えば探偵だと思いつき、直ぐにネットでキーワード福岡、探偵と検索したらビックリするほど、探偵社のホームページが出てきた。どの探偵社に浮気調査を依頼すればいいか分からなかった。なんせ初めての体験だ。私は戸惑った。
私は東区に住んでいるので、となりの区である博多区の探偵社に夫の浮気調査を依頼しようと思いまずはフリーダイヤルへ電話をしてみた。電話をすると女性の方が対応して頂いた。とても話しやすい方で、私は胸の内をすべて吐き出した。夫の怪しい言動が目にあまり、私は悲しみにくれている。と話すと、相談員は静かに私の話を傾聴し、同調してくれた。そのおかげで私がこれまで1人悩み苦しんだ気持ちが少しだけ軽くなった。これからどうすればいいのか、アドバイスをもらった。まずは、ご主人の行動を把握していきましょう。と相談員は言う。私は費用はおいくら位かかるものか尋ねてみた。あまり家計に余裕がないので高額な調査料金だと、浮気調査を依頼するのは難しいと正直に相談員に話した。相談員は、あなたの予算に合わせて調査料金を算出させて頂くので心配されなくて大丈夫です。と言ってくれたので、具体的に浮気調査をいつ行うかを相談員と検討をした。
夫は休日出勤をしている。今まではそんな事は無かった。ここ1ヶ月前から急に休日出勤が始まっていることを具体的に話すと相談員は、休日出勤の時を調査しましょう。それなら調査費用もおさえられる。との事だった。では休日出勤の際、浮気調査を依頼した場合、いくらくらい調査費用がかかるのか聞いてみた。相談員はだいたい20万円くらいで浮気調査ができると答えた。私はそれくらいなら私のへそくりで、賄えると思い、浮気調査を依頼する事にした。
調査は来週の土曜日に決行される。私は不安と期待が入り交じった、感情に支配されている。私は色々考えず、調査結果をただただ待つしか無かった。
相談員から連絡が入ったのは土曜日の翌日だった。ご主人は、土曜日の朝自宅を出て、博多駅で小柄で黒髪の女性と待ち合わせて、歩いてキャナルシティに隣接するワシントンホテルへ入って行きました。途中コンビニで買い物をしていたので、朝食を買っていたと調査員から報告が上がってきた。同ホテルを監視するとお昼過ぎにご主人と小柄な黒髪の女性と手を繋いで出てくるところを確認した。その後川端商店街にあるラーメン店で食事をして、またワシントンホテルへ入っていき、夕方過ぎに2人は出てきて、その場で2人は別れた。調査員は、黒髪の女性の後を追い、居住先を割り出した。以上が今回の調査結果です。と報告を受けた。私は意外と冷静に浮気調査の結果を聞くことが出来た。夫が浮気している事は分かっていたからだろう。浮気の証拠が撮れて私は安堵した。さてこれから私はどう対応していくか、考えていた。翌日、探偵社に赴き、夫の浮気相手の女性の容姿を動画で見させてもらった。意外と貧祖な顔立ちで、正直私の方が容姿端麗だと思ってしまった。浮気相手の顔立ちを見て、私の嫉妬心は、薄れた。
夫は、あんな女に入れあげているとは、なんと情けない気持ちになった。私は夫に浮気調査を探偵に依頼したことを正直に話そうと決めた。
夫がまた休日出勤だと行って出かけようとしている際、私はまたワシントンホテルに行かれるのですか?と嫌味たらしく言ってやった。
夫は、慌てて、なんだワシントンホテルなんか行かないよ。仕事だからな。と夫の目は泳いでいた。私はしらを切る夫に浮気調査から得た証拠の1部を見せると夫は息を飲んだ。夫に休日出勤は嘘で、私を欺き浮気しているのは、とうにわかっていたわよ。ただ証拠が無かったから、博多区にある探偵社にあなたの浮気調査を依頼したわけ。
夫は玄関からリビングに戻り、休日出勤は嘘だといい、浮気を認めた。私は夫の浮気を許す事ができるのか、実際分からなかった。暫くは、寝室は別にして夫はリビングのソファーで寝てもらう事にした。夫はまさか私が浮気調査を探偵社に依頼するとは思ってもいなかっただろう。それ以降、夫の休日出勤はなくなった。しかし、私の気持ちはまだまだ収まらない。あれだけ悲しい思いをしたのだから当然だと思っている。別居も考えている。後は夫の行動次第だ。夫が私に対して償いをどんな形でしてくるのか、楽しみだ。
