ひとりぼっちの夜の闇がやがて静かにあけていく。午前5時、時間は私を孤独にした。私のご主人様はいったいどこで何をしているのだろう。考えれば考えるほど私は私を苦しめた。誰に相談することなく私は苦しんでいた。そんなときパサッと玄関のドアポストにチラシのようなものが入ってきたのに気づいた。玄関に向かい玄関ドアのポストを覗くと一枚のチラシが入っていた。
「浮気調査、極秘、相談無料」と書かれた探偵社のチラシだった。少し迷ったがすがる思いで相談してみることにした。電話してみると落ち着いた男性が応答した。私は今の悩みを福岡の探偵の相談員に全て話した。相談員は静かに傾聴して私の悩みに対してアドバイスをしてくれた。一人で悩んでこられたんですね。辛いですねと同調してもらえて私の心は少しだけ軽くなっていった。
相談員は、夫の素行調査をやらないかと提案された。費用は50万円だった。私は調査費用を払える程の余裕がなかった。私はへそくりもない。今の私には福岡の探偵に浮気調査を依頼することは出来ないのだ。また孤独との戦いが始まる。さすがに孤独には耐えられない。お金を工面して福岡の探偵に浮気調査をする準備をしようと企んだ。
