夫婦の間でウソが発覚すると夫婦の絆はほころび始める。夫は嘘をついている。先週の月曜日のことだ、夫は大阪に出張に行くと言って出勤した。一泊の出張だと言って家を出た。帰りは火曜日の夕方頃だと言っていた。火曜日の夕方夫は予定通り帰宅した。夫は疲れた様子もなくスーツから部屋着に着替えリビングでくつろいでいる。
私は、夫のスーツをハンガーにかけようとした時、違和感を感じた。スーツにしわがなかったのだ。これはおかしい、普通飛行機に乗れば多少のしわができるはず、電車またはタクシー移動でもスーツにしわはできる・・・
夫は私にウソをついている。間違いなくウソをついている。私はさりげなく「出張どうでした?疲れたんじゃない?」と尋ねると「以外に商談がうまくいったのでそんなに大変じゃなかったよ」と夫はテレビを見ながら答えた。「飛行機で言ったの?」移動手段を聞くと「そうだよ。」と軽く答ええる夫。
私はこれ以上詮索するのはやめた。夫が本当のことを言うはずがないからだ。私が夫の会社に今週の月曜日は、夫は大阪へ出張していましたかと問い合わせをした。変なことこときくなと思われて仕方ない、確かめなけえば気が収まらなかった。すると事務員さんが予定表を確認してみます。と言って私はしばらく受話器を持ったまま待った。するといいえご主人の出張予定は入ってませんよ。と言われ、やっぱり夫は嘘をついていたことが判明した。変なこと聞いてごめんなさいね。ありがとうございました。と言って電話を切った。
私は夫が私にウソをつくとは思ってもみなかった。しかし、ウソをついていたことが現実となった。これまで夫婦水入らずで仲良くやってきたのはお互いが信頼して思いやりを持って生活してきたから良き夫婦が成り立ってきたのだ。そこにウソが入ると夫婦の絆に歪がはいった。
私は夫は月曜日から火曜日の夕方まで何をしていたのか知りたくていたたまれなくなった。どうせ夫に追及してもごまかされるのが落ちだと思い、問い詰めるのをやめることにした。会社に出張のことを問い合わせたことがばれればきっと「俺に恥をかかせるのかと」と激怒するに違いない。しかし、悪いことをしてないなら激怒する必要もないことだが、夫はうまく私をだませていると思っているに違いない。
私は、夫は浮気していると考え始めた。出張なんかないのになぜ出張なんてウソをつくのか、女がいるとしか思えない。きっと夫は浮気している。どうやって真実を追求するか考えたが、私では、事実を白日のものにはできない、手段がわからないのだ。そこでネットで浮気の証拠を掴むには、探偵に浮気調査の依頼をするが一番確実だということが分かった。
私は、早速博多区にある探偵社に、浮気調査の依頼をした。夫の写真と身長、体重など夫に関する情報を探偵に伝えた。後は調査結果を待つだけだ。浮調調査の結果を待っている間私は夫の顔を直視できなかった。夫がウソをついたからこうなったのだが、私自身、探偵に浮気調査を依頼したことに罪悪感を感じていた。しかし、女がいる可能性が高いと思えば、当然の行為だと自分に言い聞かせた。
数日後、浮気調査の結果が出た。夫は20歳も離れた女と浮気をしていた。まだ若い小娘にうつつを抜かすなんて信じられない。私は怒りを抑えらえず、お皿を壁にぶち当てた。ふと我に返り割ったお皿をかたずけた。さあどうしたものか不安をかかえながらこれからどうしようか考えてみたが、答えは出てこない。離婚すべきか、修復すべきか、あんな小娘のせいでこれまで幸せに暮らしてきたものが一気に崩れていった。私は、夫に探偵に浮気調査を依頼したことを打ち明けようか迷っている。このまま知らぬ顔をしていればそのうち女と別れるかもしれない。しかし、夫が浮気していることを知った以上、私は平常心ではいられない。夫の朝食や夕飯を作る気にもなれない。そう思うと私は夫に浮気調査をしたことを告げるしかないと思った。
私は、夫に探偵に浮気調査を依頼したことを日曜日の夕方に告げた。夫に浮気調査から得た浮気の証拠を黙って夫に見せた。すると夫は「お前探偵にしらべさせたのか?」と聞いてきたので、「はい。」と、それがなにか?といわんばかりの顔で答えた。
夫は、「俺は、お前と離婚する気はない、この女とは遊びなんだ、だから許してくれ」と言う。私は夫の浮気をどうしても許せなかった。これまでの夫婦生活は何だったんだと思うと余計に腹が立った。「少し考えさせてください。」と私は夫と距離を置こうと思った。これ以上、同じ家に住むことに抵抗を感じる。私は実家でしばらく生活することにした。夫はそれを承諾した。
私は夫が本当にあの女と別れるのか信じてはいなかった。夫を今は信用していない。これから信頼関係を新たに構築できるのか疑問だ。実家に戻り、時が経てばまた感情も変わっていくのかもしれない。今は一人になりたかった。あんな女と浮気していた夫のパンツや靴下なんか洗濯できない。汚らわしい。そう思う間は私は夫と一緒に生活なんかできっこない。あんな小娘にうつつをぬかした夫を私はいつ受け入れられるだろうか考えたが答えは見つからなかった。しばらくは夫のことは考えずに生活しようと思う。考えれば考えるほど、わたしのストレスは溜まる一方だ。あの女に慰謝料請求でもすれば気が晴れるかもしれないが、夫への怒りや憎しみは消えることはないだろう。それだけ私は夫を愛し、尽くしてきたのだから・・・・
