風は生暖かい。私は憂さ晴らしに車を車庫からだし、東に車を走らせた。午前1時にもなると車の通りは少ない。タクシーばかりが忙しく働いている。私は考えごとをするときドライブをする。今の悩みは夫のことだ。「夫はなぜ帰宅が遅いのか」信号が黄色から赤に変わった。車を止めて赤信号をボーと見た。考えごとや心配事で頭が混乱している。私はこの先の夫婦生活の事を考えていた。夫は浮気をするようなタイプではない。もしすれば私に必ずばれる。嘘がつけない男だ。私はそんな夫と別れたいと思っている。夫のどこが気に入らないかと聞かれたら、いい出したらきりがない。と答えるだろう。
夫に女でもいたら福岡の探偵社に浮気調査の依頼をするが夫に女はいない。どうにか有利に離婚出来ないか画策した。インターネットで調べてみたら夫婦間で問題があり、慰謝料請求可能な場合は、DV行為、不貞行為、婚姻の義務の放棄の3つだとかかれていた。どれも夫には当てはまらなかった。私は有利に離婚したかったが諦める事にした。明日の金曜日の夜に夫に離婚したいことを伝えようと思うがうまく話せるか自信がなかった。話し合いが始まれば夫から離婚の理由を聞かれるだろう。と私は思った。私は正直に言おうと思っている。夫と一緒に生活する事がこれ以上無理なのだ。夫が定年して退職金が出るまで夫との苦痛の日々を耐えてきた。
私はやっぱり夫と離婚をする。隠し財産があるかもしれないと私は思った。探偵に夫の財産がどれだけあるのか調べてもらうことにした。今まで我慢して夫の顔色ばかりみて生活してきた。もう私は今自由なのだ。これから何処に住むか、まずは住居を探す事にした。焦る事はない、時間だけいくらでもある。これから新しい生活が始まる。離婚できると思うと解放感に酔ってしまった。これで仮面夫婦とはおさらばだ。私は隠し財産が出てくる事を期待して居住先を探した。夫になんの罪もない。私が一人になりたいのだ。孤独死なんかとうの昔に受け入れている。私は夫と離婚して一人で生きていく。夫は意味がわからないだろう。なぜ私が離婚したいのか。私は自分の気持ちを夫に説明する自信がやはりなかった。
私は夫と接触することが嫌になり知り合いに弁護士を紹介してもらい、離婚の手続きを依頼した。
私は夫と弁護士を使って離婚した。夫に情はあるが残りの人生私の好きに生きたいと思った。夫には罪はないのだ。
