私は愛人がいる。そう妻を裏切っているのだ。罪悪感をもの凄く感じている。しかしながら私は愛人と別れられないでいる。別れなければいけない。妻にばれれば離婚することになるだろう。調子のいいことだが私は妻を失いたくない。愛人がいても私は妻を愛している。なぜ妻を愛しているのに浮気などするのかと聞かれれば、こう答えるしかない、愛人である彼女と出会ったからである。彼女と妻より先に出会っていれば私は彼女と結婚していただろう。これは神のいたずらいや、試練なのかもしれない。妻への愛情を試されているのだ。私は理性を失うほど彼女を愛してしまった。神があたえた試練というものに負けてしまったのだ。妻は私が浮気していることに気づいているのかどうかはわからない。もしかしたら妻は福岡の探偵に浮気調査を依頼するかもしれない。そう思うと私は愛人と別れなければならないと頭では、わかっていても心は彼女を失いたくないと葛藤する毎日だ。
金曜日、仕事が終わり愛人宅には寄らずまっすぐ家に帰った。すると妻はリビングの電気もつけずにソファーに座っていた。嫌な予感がした。リビングの電気をつけるとリビングのテーブルに写真が並べてあった。妻に電気もつけないでどうしたんだ?と尋ねると、妻は黙ってリビングのテーブルを指さした。
リビングのテーブルには、私と愛人が手を繋いで歩いている写真や私が愛人宅に入る写真が並べてあった。私はやっぱり妻は私が浮気していると疑っていたんだと思った。それはそうだ。あれだけ帰りが遅ければ浮気を疑うに決まっている。しかし、妻が探偵に浮気調査を依頼するとは思わなかった。
私は妻に謝った。妻は黙ったままだ。私は妻が探偵に浮気調査を依頼して私の浮気がばれて内心良かったと思っている。いつかは愛人と別れなければならないと思っていたからだ。自分ではなかなか愛人と別れられなかった。これを期に私はきっぱり愛人と別れると決意した。後は妻が私の浮気を許してくれるかだ。私は妻に謝り、妻への愛情を証明し続けるしかないと思った。時間はかかると思うが妻とやり直して行きたい、夫婦間の修復に取り込みたいと思っている。妻よどうか許してくれ。
