夕暮れ時、近くの池の回りを散歩していた。空が綺麗なオレンジ色にかわりやがて空は青色に染まっていった。池の水面に月が浮かんでいる。そこに鴨の親子が列をつくって泳いでいる。その姿を見ていると心が癒された。
私は水面にうつる月を眺めているとどこか遠くに行きたいと現実逃避したくなった。
私は夫と離婚しようか悩んでいた。
離婚したい原因は夫の浮気だ。もうすでに探偵に浮気調査を依頼して浮気の証拠も撮ってある。ただ私はまだこの事を夫には言ってないし、浮気調査で浮気がばれている事すら夫は知らない。子供達は独立しているので、私が夫と離婚しても迷惑はかけないと思う。浮気をしている夫に私は愛想が尽きた。夫とこの先二人きりで一緒に生活を送れるのかが引っ掛かっている。確かに浮気しても私はまだ夫に対して情がある。私がいなくなれば夫は困るだろう。一人では何も出来ない人だから。私は娘にこの事を話してみようと考えた。娘に明日どこかで会わない?と電話すると「えっなんかあったの?」と勘の鋭い娘は応えた。会って話したいから明日11時頃ガストで待ち合わせしましょうと言って電話を切った。
娘になんて話そうか考えていたが娘だもの包み隠さず話そうと決めた。
私は久しぶりに娘に会った。「お母さん少し痩せたんじゃない」と娘に言われた。夫の浮気が発覚してからあまり食欲がなかったからだろう。
娘は「お父さん浮気したの?」と突然言って来たので私は驚いた。その表情をみた娘はやっぱりかと頷いた。「離婚するの?」と優しく尋ねる娘。「悩んでいる。どうしたらいいのかわからなくて、だからあなたに相談しに来たのよ。」しかし相談する前に娘は既に私が抱えている問題を理解していたようだ。
「離婚するなら有利に離婚しなさいよ」と助言する娘。「浮気の証拠はあるの?」私は頷きながら「探偵に浮気調査を依頼して浮気の証拠は撮ってある。」と言った。「だったら双方に慰謝料請求して財産分与をきちんとして離婚しちゃば、一時は辛くても後は時が解決するわよ。」
私は娘の言い分が正論だと思う。しかし、夫を一人には出来ない。この思いが強い。
「私はお父さんを一人には出来ない」と正直に言った。娘は何も答えなかった。
「わたかった。お母さん暫く私の家で生活しなよ。二階の部屋空いてるし、暫くお父さんと会わずにこれからの事を考えて言った方がいいわよ。今すぐ結論を出すのは難しいわよ。」娘にそういわれ少し気持ちが楽になった。「そうね。浮気の証拠はあるんだから暫くあなたの家で生活するわ。ありがとう、あなたに相談して良かった。」私は娘にお礼を言って一旦家に帰り着替えを取りに行き、暫く娘のとこにいます。と書き置きして娘のところへ向かった。書き置きに娘のとこに行く理由はわかりますよね。と書いておいた。
後は夫がどんな態度をとるのか見ものだ。暫くは娘のところでお世話になり夫の行動を静観することにした。
