私は、気分転換にドライブに行こうと車のエンジンをかけた。さてドライブといってもどこに行けばいいのかわからなかった。とりあえず西に向かって車を走らせた。車を運転しながら窓を全開に開けるとひんやりした風が入ってきた。心地良かった。一瞬で悩みが消えるようだったが、実際はそんなことはなかった。私の悩みは夫の浮気のことだ。私の夫は確実に浮気している。しかし、確たる証拠がないのだ。夫と浮気の事で口論になっても確たる証拠が無いためいつもはぐらかされてしまう。「お前の勘ぐりすぎだ、嫉妬深い」とまで言われて、私は、悔しい思いをしている。
夫の確たる浮気の証拠を撮るには福岡の探偵に浮気調査を依頼するしかないとは思ってはいるがなかなか勇気がない。実際に浮気調査を探偵に依頼して浮気の証拠を手にしたところで私は、どうしたらいいのかわからなかった。夫の浮気を明らかにして夫と離婚するか、夫の浮気を許して復縁するのか、私には決めることが出来ない。しかし、このまま夫の浮気を見てみる振りは出来ない。
今は、くよくよ考えず夫の浮気の証拠を撮る事にした。夫の浮気の証拠がとれてからこれからの事を考えて見ようと決心して私は探偵社の扉を開き浮気調査の依頼をした。
予想通り夫は浮気していた。会社の取引先の女性が夫の浮気相手だった。
私は浮気調査の結果を聞いて動揺することなく至って冷静だった。自分でも信じられないくらい、どこか他人の事を聞いているみたいに…
私は浮気調査の結果を聞いて動揺もせず自宅へ帰った。キッチンに行きコーヒーを淹れて、一人で飲んだ。何だかこの家には私の居場所がないように思えた。そして、私はこの住み慣れた家を出ていこうと思った。夫と浮気の事でこれ以上揉めたくなかった。知り合いの弁護士に夫の浮気この事、探偵に浮気調査を依頼して浮気の証拠を手に入れた事を話した。
私は、夫と暫く会いたくない、出来れば離婚したいがまだそこまで結論は出せていない事を話した。すると知り合いの弁護士は、暫く別居されたらいかがですか?と聞いてきた。なるほど別居という手があるなと思い、弁護士のいう通り別居することにした。最近は、すぐに部屋が借りれたのですぐに別居生活が始まった。私は違和感なく解放感を味わった。私は夫との喧嘩に飽き飽きしていたからだ。自由を手に入れた気分になったが問題は何も解決していないのだ。
今は私は、この場所で自由をもとめている。自由っていったいなんだと考えながら。
