季節は秋から冬に変わろうとしている。私も代わらなければならない。今のままの生活では、私はダメになるだろう。私は毎日夫の帰りを待つ生活が、馬鹿らしくなった。
私は私の人生を楽しんでいるのか、自分らしく生きているのか、結婚してからと言うもの私は私じゃなくなった様に思える。
結婚してから会社を辞め、専業主婦になり、社会との繋がりが希薄になった。そして、段々夫に依存している自分が居る。パートでも行けば良いと思うがお金に困っているわけでもなく、パートで働く気分にはなれなかった、私はますます夫に依存するようになって行った。
毎晩二人分の夕飯を作りひたすら夫の帰りを待つ。
夫は最近酔って帰ってくる日が続いている。私は夫の泥酔している姿をあまり見たくない。そんなに酒を呑まないとやりきことがあるのかと心配になる。それは私のせいなのか、私との結婚生活に不満があるのか。だから酒に溺れているのか。私は夫に依存しているわりには夫の事を理解していないのかもしれない。夫が今何に悩んでいるのか、なぜ苦しんでいるのか。私達はわかり会えていない。何故こんな関係になってしまったのか、あんなに求めあった二人だったのに。
考えても答えは出てこなかった。私は夫と向き合って話してみたい、二人で話し会いたい。話す時間を設けなければ前には進めない。
私は夫の言動からは夫を分析をしてみた。最近やたら酔って帰って来る。家で食事を摂る機会が減った。休日も仕事だと行って出かける。私はその度に孤独を感じる。
心が引き裂かれる思いになる。この夫の言動は考えると浮気しているのではないかと思うようになった。
まさか夫に限って私を裏切るような事はないと自分に言い聞かせた。しかし、日に日に夫への疑いが募るようになった。
私は今の生活に不満がある。結婚生活に不満があるのだ。理想の結婚生活が送れるとは思ってはいない、しかし、夫が仕事から帰って来て二人で夕飯を食べ、たわいのない話で笑って生活がしたい。でも今の生活は孤独を感じる生活だ。
夫の言動は怪しい、私はこんな生活から脱却したかった。しかし、きっかけがなかった。夫の素行調査でもしてみたら何かわかるのかもしれないと思い、私は見えない何かに背中を押されるように福岡にある探偵社に夫の素行調査を依頼した。これは私のできる最大の行動だ。私の知らない夫がわかるかもしれないと思うと私は落ち着かなくなった。
夫の素行調査の結果を聞かされた。目の前が真っ暗になり、息をするのを忘れるほど私はショックを受けた。夫は浮気していたのだ。私を裏切り、私を欺き、平然と私と生活していたのだ。私は夫に私の人生を踏みにじられたのだ。
私は家を飛び出し実家で生活をする事にした。夫は浮気をしていることをまだばれていないと思っている。何故実家に行っているのかさ気にもしていないのだろう。
私は知らず知らず一人が好きになっていった。
夫への執着から解放されたのだ。
