私達は同じ大学のサークルで知り合い付き合うようになった。卒業後お互い違う会社に就職した。
卒業しても彼との交際は続いた。勿論私は彼を愛していた。彼も私を愛してくれていたと思う。
私達は、休日よくデートをした。イルミネーションを見に行ったり、お互い福岡市内に住んでいたので九州の温泉ツアーと称して、給料が出たら、割り勘でよく温泉に行った。二人のお気に入りの温泉は朝夕食べ放題で一万円以内の温泉宿です。コスパで決めてました。平戸にある朝夕食べ放題の温泉宿は最高でした。とにかく魚が美味しい。冬場のぶりなんか脂がのって最高でした。
社会人になって三年目の夏、私は赤ちゃんを身籠った。彼に赤ちゃんが出来たことを伝えると涙を流して喜んでくれた。
早速私達は私の両親に結婚の挨拶をする為実家に向かった。私の両親に彼は「私達は子供を授かりました。娘さんと結婚させて下さい。二人で力をあわせて幸せになります。」と男らしく言ってくれた。私の両親も驚きながらも私達を祝福してくれた。
出産予定日は来年の6月だ。初産の私は不安でいっぱいだったが夫が優しくフォローしてくれた。私達は結婚して大野城市に家を建てた。まだ家を買うのは早いかなと思ったが夫が子供も出来たんだから幸せになる為に家を買おうと言い出したのだ。私は夫の熱意に負けて家を買うことに賛同してしまった。
いよいよ来月出産予定だ。緊張するが早く赤ちゃんの顔が見たい気持ちがはやった。
出産は心配したより楽に産む事ができた。安産だった。私達のかわいい男の子がこの世に誕生した。
私は出産後実家に帰省した。やはり一人で赤ちゃんのお世話するのは大変だ。母の手助けが必要だったし、母も初孫のお世話をするのを楽しみにしているようだったので私は母に甘えた。
私は赤ちゃんの子育てに夢中になり、夫とほとんどコミュニケーションをとっていなかった。急に夫の事が心配になり夫に連絡して来週末実家でご飯食べようよ。赤ちゃんもパパを待ってるよ。と夫を誘った。すると夫「来週は仕事なんだ。」と冷たく断られた。
その断り方に私は違和感を感じた。何かがおかしい。夫と最近コミュニケーションをとってなかったからそう感じたのかもしれないと思ったが、違和感は消えなかった。次の週もパパ実家に来てと誘ったが、夫は仕事が忙しいから無理だと言うのだ。
私は違和感に包まれた。息苦しくて堪らななくなった。
私は夫が休日何をしているのか、本当に仕事が忙しいのか、私は育児に追われ夫の今の状況がわからない。私は母に相談した。夫が最近冷たいことを。すると母が福岡の探偵社に浮気調査を依頼してみたらと言い出した。私も夫の今の状況を確かめるには探偵に調べてもらうしかないと思った。
私は福岡市内にある探偵社に浮気調査を依頼した。調査日時は夫の休日、土日の指定調査をお願いした。
私は夫が本当に仕事が忙しく実家にこれない事を信じている。その反面嫌な胸騒ぎがしている。
浮気調査の結果が出た。その浮気調査の結果はぞっとするものだった。夫はなんと若い女性を大野城市の私達の家に入れていたんです。土曜日のお昼女性が大野城市の家に入り、その時買い物袋を両手に持って現れた。その後二人とも日曜日のお昼迄出てこず、昼過ぎに二人で出てきてパチンコ屋に入った。と報告を受けた。
夫は私以外の女性を私達の家に泊めたということだ。私の髪の毛が逆立つのがわかった。浮気女が私達のベッドで寝ていることを想像すると、私は吐き気がしてトイレで吐いた。
私は母に浮気調査の結果を話すと母も激怒してすぐに夫を実家に呼びなさい。私が電話するから電話を貸しなさい。と母は怒り心頭だ。私より怒っているように見える。母は私の携帯で夫と話している。母は今すぐこっちに来なさい、を連呼している。夫は根負けしたのか40分後に実家に現れた。流石母だと感心した。私が電話で呼びつけても来てくれなかったと思った。
母は、開口一番「あなたは娘と離婚しなさい。そして、大野城市の家に入れて泊めている女性と一緒になりなさい。大野城市の家のローンは自分で支払いなさい。本当なら少しはお金を援助してあげようと思ってたのよ。少しでもローンがなくなるように。でもあなたはダメ❗この子の父親の資格がない。娘の夫としての資格もない。男として最低よ。赤ちゃんが生まれたばかりでよく若い女性をあなた達の愛の巣に入れて、あなたは罪の意識はないの、毎週末ここに来るのが当たり前じゃないの、あなたは家族を捨てたのよ。今すぐ別れなさい。いいわね!」
母は私の思いを全て代弁してくれた。離婚するかどうかは正直悩んでいる。しかし、母は絶対離婚しなさいと言い張る。
「こんな大事な時期、赤ちゃんの時なんか一瞬よ、そんな大切な時に他の女と遊んでいる人となんか先が見えてる。悪いことは言わない、今すぐ別れなさい。」と母の正論に私は頷くばかり。
結局私達は母の言う通り離婚した。しかし、私は母に言われたから離婚した訳ではない。私は育児にかまけて夫にさみしい思いをさせてしまったかもしれない。だからって浮気していいわけがない。私は夫が子供に会いに来なかった事が許せなかった。子供と女を天秤にかけて女を選ぶ男とは幸せにはなれないと思った。だから私は離婚したのだ。
