私は昨晩金縛りにあった。目だけは動くが体は硬直状態。私は恐ろしくなって叫ぼうとしたがうまく叫ぶことさえできなかった。こんなときに旦那は出張でいない。ひとりで怯えていた。耳は正常に機能性しているのかはわからないままいつの間にか寝てしまった。本当に怖い思いをした。この家には霊がいるのではないかと思うと背筋がゾクッとした。友人に相談するとそれは霊の仕業じゃなく体の疲れや精神的ストレスで金縛りになったりする場合もあるそうよ。それを聞いて私は気持ちが楽になった。
確かに私は最近強いストレスを感じている。ストレスの原因は旦那のことだ。最近旦那はやけに出張が多い。以前はたまには出張はあったがこんなに頻繁に出張する事はなかった。身だしなみも以前より気にするようになったし、出勤前にネクタイの色を気にしたり、髪型を気にしている。怪しいといえば旦那の言動は怪しい。
恐らく旦那は浮気をしている。このままにしておくと大変なことになるのではと女の勘が働き焦りを覚えた。旦那が本当に浮気して離婚なんかいいだしたら大変なことになる。そんなことを考えていると突然が不安が押し寄せてきた。
旦那が浮気相手の女に入れあげて私を捨てるのではないかなど悪いことばかりが頭をよぎる。ストレスが体と心を苦しめる。旦那を浮気相手の女性なんかに取られてたまるものかと怒りが涌き出てきた。
私はネットで浮気をしている旦那をどうすれば良いのか調べて見ることにした。検索ワードは「浮気。旦那。」で検索してみた。
検索してみると探偵社のホームページがたくさん出てきた。閲覧すると夫婦間の修復には浮気の事実を証拠として撮ることがせんけつだと書かれていた。更に浮気の証拠を使って浮気相手の女性に慰謝料請求する事で浮気相手の女性との繋がりを切らせることが重要だとも書かれていた。
なるほどと思い夫婦間修復に強い探偵社に浮気調査の依頼をした。旦那が本当に浮気をしているのか少しだけ疑問だが限りなく黒に近いグレーな状態なので浮気調査の依頼をする決断をした。浮気調査をして白だったらそれはそれで私のストレスは軽減される。取り敢えず旦那の素行を知っておく必要がある。
浮気調査の結果は二週間後に出た。ドキドキしながら調査結果を聞きに福岡の相談室に向かった。
調査結果はやはり黒だった。私の勘は当たっていた。この先どう対応すれば良いのか相談員にアドバイスをもらった。相談員はこの証拠を持って旦那様と冷静に話し合って見てください。直接浮気相手の女性に慰謝料請求する事も可能ですが今回のケースは修復が目的だと思いますので浮気していることを先ずはご主人様に認めさせることが大切だと思います。と冷静に話す相談員。
私は慰謝料が欲しいわけではない。旦那の浮気をやめさせたいだけだ。私は相談員のアドバイス通り旦那と向き合って話をしてみようと思った。
日曜日の夕方私は夕飯の支度をしながら夫と何気ない話をしていた。タイミングを見計らって私は旦那に「あなたコンビニで働いている女性と浮気しているみたいだね。そんなに楽しい?出張なんて私に嘘をついてこそこそ密会していたなんて信じられないわ。」と問いかけた。
夫は動揺してテレビのリモコンを床に落とした。何でそんな根も葉もないことをいっているだと逆ギレ状態。わたしはシチューの鍋の火を切ってエプロン外し私は浮気調査で得た浮気の証拠を旦那に突きつけた。何が根も葉もない話しよ。もうしらは切れないわよ。自分の目で確かめてみたらいかがですか?
旦那は恐る恐る報告書を見て深いためいきをついた。そして旦那はすまないと言って報告書をソファーにおいた。
私は旦那に私は離婚するつもりはない。もしあなたがあの女性と結婚したいと真剣にお付き合いしているのであれば浮気相手の女性とあなたに慰謝料請求をさせていただき私は身を引かせていただきます。勿論あなたにはこの家から出ていってもらいます。旦那は黙ったまま呆然と突っ立っている。
暫くして旦那が口を開いた。「わたしはお前と離婚したくない。コンビニで働く女性とは魔が差したとしか言えない。身勝手だと思うがどうか許してくれ」と真顔で話す旦那。
私は内心ほっとした。浮気相手の女性の方に行くのではないかと思っていたからだ。
私は旦那の浮気を完全には許してはいない。「もしもまたあの女性と浮気したら容赦なく浮気相手の女性に慰謝料請求しますからね。勿論あなたにもです。財産分与もきちんとしますからね。」と旦那に釘を指した。旦那は「わかってる二度とお前を裏切ることはしない」と反省の色を見せた。
私は旦那の言葉を鵜呑みにはしていない。浮気の証拠があるかぎり旦那は私の思うがままだ。私は気持ちを切り替えて夕飯の支度の続きに取りかかった。
